ハンドルに感謝を込めて
私は地下鉄の運転士として、列車の運転をはじめ安全を確保するための各種点検、故障時の応急処置、事故や災害発生時の対応などの仕事をしています。また、車掌業務や駅務業務を担当する日もあります。
運転士の仕事で一番大切なことは、たくさんのお客さまの生命をお預かりしていることを常に意識することです。例えば、鶴舞線のN3000形車両は定員で約860名(座席数は294)のお客さまにご乗車いただけます。安全を最優先に何事もなくお客さまを目的地までご案内することが求められます。
お客さまは一人ひとりそれぞれの思いがあって列車に乗られています。運転士はお客さまと直接対面することはあまりありませんが、お客さま一人ひとりの大切な思いを背中に感じて仕事をしています。駅務員や車掌は言葉や表情によって感謝をお届けしますが、運転士は衝撃の少ない運転操作を心がけるなどハンドルに感謝の気持ちを込めています。ブレーキ時などに車内からの音で感謝をお届けできたかを感じられ、そこに運転士の仕事のやりがいを感じています。